桑名市や北勢エリアで中古住宅を買ってリノベーションするための実務ガイドです。
相場と築年の見かた、内見のチェック、リノベ費用の目安、そして2026年に変わった税制と市町の補助金まで。物件探しの前に読んでおくと、判断がぶれません。
桑名の中古戸建ては平均築28年|まず相場を知る
中古住宅は「いくらで買えるのか」から見ていきます。北勢エリアの相場は次のとおりです。
| エリア | 中古一戸建ての価格 | 出典 |
|---|---|---|
| 桑名市 | 平均 2,180万円(3LDK〜4DKは2,600万円) | アットホーム |
| 桑名市(成約ベース) | 平均 2,551万円・平均築年数28年 | 国土交通省の取引価格情報をもとにした集計 |
| 四日市市 | 3LDK〜4K以上 平均 2,339万円 | LIFULL HOME’S |
いずれも2026年9月時点の数字です。相場は動くので、実際に探すときは最新の掲載価格を見てください。
ここで注目したいのが「平均築年数28年」という数字です。
築28年なら、建てられたのはおよそ1998年ごろ。耐震基準がもう一度見直された2000年の、すぐ手前の世代にあたります。つまり北勢で出てくる中古住宅の多くが、「性能をどう見るか」の判断が要る築年帯だということです。
「築年数」より「性能」で選ぶ|昭和57年1月1日の境目
中古住宅選びでいちばん大事な日付があります。昭和57年(1982年)1月1日です。
この日以後に建てられた家かどうかで、税金の優遇が受けられるかどうかが変わります。住宅ローン控除・不動産取得税・登録免許税の3つとも、この日が基準になっています。
| 建築の時期 | 耐震の考え方 | 税の優遇 |
|---|---|---|
| 昭和56年5月31日まで | 旧耐震基準 | そのままでは対象外(下記の証明書が必要) |
| 昭和56年6月〜昭和56年12月 | 新耐震基準 | 同上(税制上の基準日は昭和57年1月1日のため) |
| 昭和57年1月1日以後 | 新耐震基準 | そのまま優遇の対象 |
| 平成12年(2000年)6月以後 | 新耐震+接合部などの規定を強化 | 同上(より安心度が高い) |
① 耐震基準適合証明書(取得の2年以内に調査したもの)
② 建設住宅性能評価書(耐震等級1以上)
③ 既存住宅売買瑕疵保険の付保証明書(取得の2年以内に契約したもの)
③は「検査と保証がセットになった保険」です。専門の建築士の検査に合格すると入れます。旧耐震の家でも、この保険に入れれば優遇の扉が開きます。
ひとつ注意があります。ここでいう建築の時期は、登記簿に書かれた新築年月日で判定します。建築確認を受けた日ではありません。

内見で見るべき10のポイント
内見は短時間です。見る場所を決めてから行きましょう。
| 見る場所 | チェックすること |
|---|---|
| 1. 基礎 | 幅の大きなひび割れがないか |
| 2. 外壁・屋根 | 塗装の傷み、瓦のズレ、コーキングの割れ |
| 3. 床 | 歩いて傾きや沈みを感じないか |
| 4. 天井・押入れ | 雨漏りのシミがないか |
| 5. 水回り | 使用感、排水の流れ、においの有無 |
| 6. 給湯器・エアコン | 製造年(10〜15年で交換時期) |
| 7. 窓・ドア | 開け閉めが引っかからないか |
| 8. 床下・小屋裏 | 点検口から湿気・シロアリの跡を確認 |
| 9. 窓の造り | ペアガラスか一枚ガラスか(断熱の目安) |
| 10. 敷地まわり | 前の道路の幅、隣地との境界、越境した木や塀 |
建物と同じくらい大事なのが、その土地に建て直せるかです。
建物状況調査は義務?よくある誤解
「2018年から中古住宅の検査が義務になった」と聞いたことがあるかもしれません。これは誤解です。
義務になったのは「調査をすること」ではなく「説明すること」でした。宅地建物取引業法で不動産会社に課されたのは、次の内容です。
- 媒介契約のときに、調査をする人を紹介できるかどうかを書面で伝えること
- 重要事項説明のときに、調査が行われていればその結果を説明すること
- 契約のときに、建物の状況について売主と買主が確認した内容を書面にすること
2024年4月からは、紹介が「無し」の場合にその理由を書くことも必要になりました。
つまり調査を受けるかどうかは、買う人が決めます。調査は国に登録された講習を修了した建築士が行います。費用は5万〜16万円ほどが目安です。

リノベーション費用の目安|どこまで直すかで決まる
リノベ費用は「どこまで直すか」で大きく変わります。まず2つの数字を押さえてください。
| 工事の範囲 | 費用の目安 | 出典 |
|---|---|---|
| 部分リノベを含む平均 (東海圏で中古を買った人) | 691万円 | SUUMOの調査(全国平均は628万円) |
| フルリノベ (骨組みだけ残して全面改修) | 戸建てで 1,200万〜2,000万円 | リノベ会社の2026年版公表資料 |
数字が2倍以上ちがうのは、工事の範囲がまったく別物だからです。水回りと内装だけなら前者、間取りから変えるなら後者に近づきます。
公的な統計はありません。どちらも民間の調査なので、目安として使ってください。
桑名市の中古戸建ての平均2,180万円に、東海圏のリノベ平均691万円を足すと約2,870万円。ここに仲介手数料・登記費用・税金などの諸費用が乗ります。
間取りから変えるフルリノベなら、2,180万円+1,500万円で約3,680万円。新築が視野に入る金額です。「どこまで直すか」を先に決めないと、中古を選ぶ意味がなくなります。

2026年の税金|住宅ローン控除が変わりました
ここがこの記事でいちばん大事な章です。2026年に住宅ローン控除の内容が変わりました。
これまで中古住宅は「2,000万円まで・10年間」が基本でした。令和8年度の税制改正で、性能の高い中古住宅なら13年間に伸びました。
| 住宅の性能 | 借入限度額 | 控除期間 |
|---|---|---|
| 長期優良住宅・低炭素住宅 | 3,500万円(子育て世帯は4,500万円) | 13年 |
| ZEH水準の省エネ住宅 | 3,500万円(子育て世帯は4,500万円) | 13年 |
| 省エネ基準に適合した住宅 | 2,000万円(子育て世帯は3,000万円) | 13年 |
| 上記にあてはまらない住宅 | 2,000万円 | 10年 |
この改正がリノベと相性がいい理由があります。省エネ性能を証明する調査は、買ってから6か月以内に済ませてもよいとされているからです。
ただし適用できるかは家ごとに違います。断熱リノベを予定しているなら、契約前に税務署か税理士に確認してください。
三重県の不動産取得税は築年で控除額が決まる
家を買うと不動産取得税がかかります(税率3%)。中古住宅は、建てられた時期に応じて課税のもとになる金額が差し引かれます。
| 新築された時期 | 控除される額(1戸につき) |
|---|---|
| 平成9年4月1日以降 | 1,200万円 |
| 平成元年4月1日〜平成9年3月31日 | 1,000万円 |
| 昭和60年7月1日〜平成元年3月31日 | 450万円 |
| 昭和57年1月1日〜昭和60年6月30日 | 420万円 |
| 昭和51年1月1日〜昭和56年6月30日 | 350万円 |
三重県の公式サイトに載っている数字です。平成9年4月以降の家なら1,200万円が引かれるので、税額がゼロになることも珍しくありません。
登記のときにかかる登録免許税も軽くなります。所有権の移転は2.0%から0.3%へ、住宅ローンの抵当権設定は0.4%から0.1%へ。2027年3月31日までの措置です。
北勢で使える補助金|市町によって大きく違います
国の制度と、市町の制度の2段構えで考えます。
国:みらいエコ住宅2026事業のリフォーム枠
断熱リノベをするなら、まずこれを検討します。補助の上限は家が建てられた時期と工事の内容で4段階に分かれます。
| 新築された時期 | 窓+躯体の断熱+高効率設備 | 窓+躯体の断熱 |
|---|---|---|
| 〜平成3年 | 100万円/戸 | 50万円/戸 |
| 平成4年〜平成28年 | 80万円/戸 | 40万円/戸 |
対象は平成28年12月31日以前に建てられた住宅です。ひと部屋を選んで決められた工事をすると、家全体の工事が補助の対象になります。
補助の対象には、断熱のほかにバリアフリー改修や瑕疵保険への加入も含まれます。申請するのは工事をする事業者です。
市町:四日市市と東員町には手厚い制度があります
| 市町 | 制度 | 内容 |
|---|---|---|
| 四日市市 | 空き家取得活用補助金 | リフォーム費の1/3・上限50万円(特定の地域はさらに10万円)。市外からの転入者などが対象 |
| 四日市市 | 空き家流通促進補助金 | リフォーム1/3・上限50万円、家財処分10万円、建物状況調査8万円。空き家バンクへの登録が条件 |
| 東員町 | 空家リフォーム支援事業補助金 | 2/3・上限100万円。6か月以上町外に住んでいた方が転入する場合 |
| 朝日町 | 空き家等バンク利用促進補助金 | 家財の処分・清掃などで上限10万円(改修工事は対象外) |
いなべ市では、中古住宅の取得やリフォームに使える制度は確認できませんでした(耐震補強の補助と空き家バンクはあります)。川越町にも空き家バンクを通じた改修の制度がありますが、金額は町にご確認ください。
桑名市には移住者向けのリフォーム補助の要綱がありますが、2026年度の予算には見当たりませんでした。使えるかどうかは市の窓口で確認してください。
物件代とリノベ代を1本のローンにまとめる
中古を買ってリノベするときは、お金が出ていく順番が問題になります。
物件の代金は契約後すぐ、リノベ代は工事のあと。この2つを別々に用意するのは大変です。そこで使えるのが、購入費とリフォーム費をまとめて借りるタイプのローンです。
代表的なのが【フラット35】リノベです。一定の性能になるリフォームをすると、当初の金利が下がります。
| メニュー | 金利の引下げ幅 | 引下げ期間 |
|---|---|---|
| 金利Aプラン | 年 ▲1.0% | 当初5年間 |
| 金利Bプラン | 年 ▲0.5% | 当初5年間 |
省エネ・耐震・バリアフリー・耐久性のどれかを高めるリフォームが条件です。あわせて、建物状況調査を受ける、瑕疵保険に入る、維持保全の計画を作るなどのどれかも必要になります。
金利や条件は年度で変わります。検討するときは最新の公式情報を確認してください。三重県内の銀行のローンは三重県の住宅ローン一覧でも比較できます。
ケイ・スタイルハウジング(桑名市)— 物件探しとリノベを一緒に相談できます
中古リノベでいちばん困るのが、「この家、いくらで直せるのか」が買う前にわからないことです。
不動産会社は物件のプロですが、工事の見積もりは出せません。工務店は工事のプロですが、物件は持っていません。この分断が判断を遅らせます。
桑名市のケイ・スタイルハウジング(株式会社KYK・2006年設立)は、宅地建物取引業の免許(三重県知事登録(4)第3101号)を持つ工務店です。不動産の売買とリノベーションの両方を手がけているため、物件の情報と工事の見立てを同じ窓口で相談できます。
無垢材や漆喰など自然素材を使った家づくりが得意で、中古住宅のリノベーションにも対応しています。対応エリアは三重県北勢・愛知県西部・岐阜県西濃です。
中古を買う? 建て替える? 迷ったときは
実家や親の家が候補にあるなら、「買う」以外の選択肢も出てきます。
今ある家を直すか、建て替えるか。その判断は別の記事にまとめました。
逆に、もう誰も住まない家を手放す側の話は、こちらにまとめています。
よくある質問
まとめ|築年で切らず、性能と総額で決める
中古住宅は「古いから不安」で判断すると選択肢が狭まります。昭和57年1月1日という税制の境目と、どこまで直すかで決まる総額。この2つで見れば、判断はぐっとはっきりします。
- 相場: 桑名市の中古戸建ては平均2,180万円・平均築年数28年
- 税制: 2026年から性能次第で控除13年。三重県の不動産取得税は築年別に最大1,200万円控除
- 費用: 東海圏のリノベ平均691万円。フルリノベなら1,200万〜2,000万円
- 補助金: 国の断熱改修+四日市市・東員町の制度。いずれも工事前の申請が必須




